長須正明さまへ
ありがとうございます。
『考えるための断想集』の「うえしん」といいます。
書評集を読んでいただき、たいへんありがたく思っています。
『子どもがニートになったら』でいちばんおもしろい人だったと思った長須正明さんから
メールが来るなんて、うれしいかぎりです。
前のめりの価値観をあっさりと否定する姿勢には笑わさせてもらいました。
そして肩の力が抜ける気がしました。組織とか家族をあっさり捨てるなんて(気もちの
上でですね)、すばらしい人(笑)だと思いました。そういうメッセージは伝わる人には絶対に伝わっていると思いますよ。
森毅さん的な価値観の落とし方が共通する人だなと思いました。
森毅さんもみんなが最高の価値だと思っているものを、いともあっさりとかんたんに
落とす人で、ずいぶん胸がすく思いがしたものです。
世の中の最高とされる価値観なんて宗教みたいなものですから、それを否定しても
かなり反発されるものだと思いますが、自己実現とか仕事なんてつまらないという
現実や経験は大人がちゃんと伝えていってほしいと思っています。
ニートの問題はほんと難しいと思います。
仕事や親の生き方に対する感情的な不快感がもつれているという感じがします。
好景気や人手不足ならそんな疑問に拘泥するまえにさっさと働いていたと思うの
ですが、いまは若者が切り捨てられているか、アルバイトでしか雇用されない時代
ですよね。雇用環境がよくなれば解決する問題にも思えるんですが、そうならない
からこそ難しいんですよね。
ニートの問題は親自身が自分の生き方を考える上で、自分自身のことのように
考えるべきなのだと思いますが、企業とか経済に年金とか退職金を人質にとられて
いるもので、ほかの生き方を考える余裕もないのですね。それらを捨てないと、
企業に組み込まれた人生から逃れられないと思いますが。親と社会のシステムが
変わるべきだと思うんですが、まずは社会が変わることもないでしょうね。
長須さんにはぜひ働くことや人生に関する若手に向けたメッセージ本を書き下ろして
ほしいと思っています。世の中の至上価値を笑って突き落としてほしいと思います。
これからもよろしくお願いします。
うえしん
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