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 ■050417断想集 歴史とはイデオロギーか


 ■吉野桜 今日ばかりは 修行僧       2005/4/17

 関西の山を愛する者としては一度はいってみたかった吉野の桜。人ごみを覚悟で吉野の満開の桜を写真で写してきました。桜を堪能しようとするおおぜいの人たちが標高差約600mをへとへとになって登っておりました。

吉野駅をおりると人の山の向こうに桜が見えました。このおおぜいの人たちは800mの高さの内、どのくらいの高さまで登るつもりなんでしょうか。
山いっぱいに桜が広がっていました。たしかにこんなきれいな桜はほかに見ないですね。ここらへんは中千本とよばれるところなのかな。
吉野の町の全貌です。町は桜に囲まれています。そのはるか向こうには金剛山や葛城山が見えます。じっさいのところ緑もかなり多いです。
水分神社の鳥居の前には桜が咲き、ものすごくきれいだなと思いました。桜吹雪もあちこちで散っていて、それはそれは幻想的でした。
歌と漂泊に生きた西行の庵です。清貧と無欲を理想として生きることは現代では不可能なんでしょうか。
山の斜面に桜はたくさん咲き、観光客もへばりつくように斜面で休憩しています。
小川が流れ、山のふもとに田畑がひろがる牧歌的な原日本的な風景です。いいですよね。
奈良時代の天皇家たちのリゾート地であった宮滝です。巨岩が圧巻です。
川の色がすごいんです。この深いグリーンの色の川はそうそうない。




 ■歴史とはイデオロギーか        2005/4/19

 歴史は事実をあらわしているというよりか、イデオロギーや思想ではないかと思う。主張や主義がたっぷりとまぶされ、イデオロギー臭さを感じざるをえない。

 たとえば江戸自体は現代の民主主義にたいして封建主義で、西洋近代国家をめざした現代よりはるかに遅れた後進国家とされる。つまりは現在の国家の正義ぶりがイデオロギーされているわけである。歴史の事実というよりか、現在の体制を正当化するためのイデオロギーに近い。

 たとえば韓国や中国の歴史教科書をみれば、日本の侵略がいかに酷かったかとえんえんと記述されているそうだが、これは歴史の事実としてはたしかにあったのだろうが、他国に蹂躙されることの酷さにたいしての愛国心を刻印するためのイデオロギーにみえる。

 戦国時代や幕末維新はビジネスマンにおおいに好まれるのだが、覇者を競ったり、領土を拡大したり、組織や人間を管理したりといった知識がサラリーマンを鼓舞するイデオロギーになっているように思える。武士や志士は現代企業のイデオローグとして利用されているのである。かれらは歴史というよりか、ビジネスであり、思想である。

 古代史には国家の創造・始源というたいへん重要なイデオロギーが背負わされている。それは聖なるもの、崇高なもの、神秘的なものでなければならない。国家の始源はわれわれの姿を規定するものである。国家の創造者として古代人たちは過剰な崇高さを付与されてわれわれの前にあらわれる。古代国家は聖なるイデオロギーなのである。

 歴史はイデオロギーや思想にしか見えない。歴史はメッセージや意味をもつ。現代と比べて酷い自体だったとか、崇高で偉大な人物がこの国の礎になっているだとか、優れた人物がこの国に生きただのとか、過剰なイデオロギーやメッセージ性をもつ。

 イデオロギー性なしの歴史をわれわれは見ることなんてできるのだろうか。われわれは歴史を見ているというよりか、イデオロギーや思想を受け入れるのである。歴史書を読んでいるのではなく、思想書やイデオロギーを読んでいるのである。





 ■私は一ヶ月前からシステム障害だぞ。      2005/4/24

 新聞社や鉄道などでシステム障害があいつぎ、トレンドマイクロ社のウィルスバスターの不具合のせいになっているが、私のパソコンにはソースネクストのウィルスセキュリティ2005を入れているが、CPUが100%になる状態がずっとつづいている。違うソフトなんだろ?

 とりあえずはタスクマネージャーを開き(Ctrl+Alt+Del)、tcpsvcs.exeのプロセス終了を押すとCPUが正常になるから問題はないといえるが、立ち上げるたびにこれはやるのはめんどくさいし、ネットでも解決策がよくわからない。ソースネクストのHPではなにもいってないし、ウィルスではないのかい。

 アクセス解析で見ると、この問題で訪ねて来る人が多かったのだが、すいませんが、私には解決策はわかりません。ほんとにトレンドマイクロだけの問題なのかい。だれか教えてください。てかっ、自分で調べろってか?





 ■客観的知識とはイデオロギーなのか         2005/5/3

 知識は客観性や中立性をもつといっぱんに信じられているが、どうも科学や学問というのはイデオロギーや政治の要素を抜きにすることはできないようである。

 たとえば歴史や日本人論をみると、日本の優秀性や独自性がのべられていて、これは客観敵的分析というよりか、日本人のための自尊心物語にみえる。

 中立で客観的要素をもつと思われる学問的業績だって、一皮むくとナショナリズムやイデオロギーのにおいがぷんぷんと漂っているものである。たとえば梅棹忠夫の『文明の生態史観』は日本とイギリスという大陸の端にある国がなぜ先進国になったのかの分析だが、やっぱりそれは日本の優越性をのべたナショナリスティックな政治性をもつ物語になっている。

 日本人の起源論をみれば、南島からきた縄文人を北方の稲作弥生人が支配したような話が聞かれるが、それは植民地化された沖縄やアイヌ人を一体化した日本人に組み込むためのイデオロギーだともいえる。

 われわれが中立的で客観的だと思い込んでいる学問業績や知識もこのような政治性やイデオロギー性をどんなにまぶしこんでいるか知れたものではない。ビジネス書や日本経営論なんてものもかなりナショナリスティックな言説に満ちているものである。

 どうも知識の中には価値優劣というものさしが無意識に挿入され、国家や自文化の優越性や自尊心を高めてしまうようである。当人は事実や真理を追究していると思っているかもしれないが、結果から見れば政治性がしのびこんでしまい、国家優越のイデオロギーと化してしまうのである。

 生物学の進化論が社会ダーウィニズムとして国家政治にもちいられ、世界大戦のイデオロギーとしてプロパガンダされたように、またはビジネスの非道徳性の正当性イデオロギーとしてもちいられたりして、知識というのはそれが即政治になってしまうのである。

 知識というのは初めから政治でしかありえないのかもしれない。政治を志向していなくても結果的には政治に利用される。あるいは知識そのものが政治なのかもしれない。

 私は愚かにも中立や客観の知識を信じてきたようだ。これからそのような信じきってきた知識のイデオロギー性を暴いてゆきたいと思っている。

 客観的知識や学問業績のなかに政治を読みとれをスローガンにしようか。





 ■『ボクたちが働かない理由〜ガイアの夜明け』を見て        2005/5/4

 

 だめだぁ、ひどいなぁと思った。はじめから対策のことしか考えていない。政府や国が困るから働かせようとしかない前提しかないのか。若者が生活や将来が困るから働きたいという視点から捉えないとだれの心も動かさない。役所の財政のためにだれが働くというのか。

 私も行った「若年無業者フォーラム」だが、親ばかりきていたとは知らなかった。たしかに親御さんらしき姿をよく見かけたが、ニートやパラサイト・シングルの親の過保護の構造がここでもくりかえされていると思った。

 こういう番組はいまだに原因を探るべきだと思う。はじめに対策ありきでは、ぜったいに問題は解決しない。対策の前提の「人は働かなければならない」というものが希薄だからだ。企業や社会がなぜこうなったのか、前提と原因を見極めないと対策は親世代と役所の自己満足だけに終わる。

 さらにいえば、オヤジ世代の豊かな社会や経済大国の夢というのは、こういう若者をめざしていたわけである。豊かさとは働かなくてよいことである。労働の目的を勤勉や貯金だと勘違いした親世代は、労働目的の真の成就に出会って面喰っている。おまえたちがめざした社会がこれなのだといいたい。

 ただ問題は若者自身が自立できなかったり、企業の雇用からつまはじきにされてしまう可能性があることだ。履歴書の空白を嫌う企業は多いし、滅私奉公や終身雇用的な人材を望む企業の目はあいかわらず変わっていない。だからニートはメシを食ったり、豊かで将来の保障ができる人生から見放される怖れがあるわけである。

 解決策はニートをいじることではなくて、人手不足を加速させる経済振興だろうと思う。経済がよくなれば企業は高待遇で若者を迎えようとするのは貨幣経済の常識である。ただそれがムリなら、高待遇の中高年の条件を引き下げることでしか、少ないパイを分けることができない。それもムリなら中高年が自然退職する十数年先まで待たなければならないわけか。

 フリーターやニートがこのまま年をとってゆく社会はすでに固定されてしまった。未来はもうはじまっているのである。常識や考え方はそこからはじめなければならない。すくなくとも会社主義や生産マシーン国家は内部から溶解しはじめているのである。

 私が前から望んでいた社会だが、個人がメシが食えなくなるのはつらいことだ。こういうときには愚かな政府の対策に頼るのも一考なのか。生存の戦略はみずからでつくってゆくしかない。





 ■長谷の棚田に春がきた。      2005/5/14

 

 有名な大阪能勢の長谷の棚田です。4月24日の写真です。田植えの前の水張りがおこなわれていました。右側にはわら葺屋根の家が見え、このあたりには何軒か残っています。大阪にこんなところが残っているなんて。癒される風景にしばしなごんでください。

  長谷周辺の地図です。




 ■結婚・三十後の女優も生き残ってほしい。       2005/5/14

 

 竹内結子が結婚するそうである。『白い影』のはにかんだ笑顔がものすごくよくて、複雑な表情づくりには感服した。あまり代表作とよべるようなすばらしい作品と出会っていないよう気がするのだが、結婚出産した女優が人気を保てることはあまりない。

 ちかごろ三十代をすぎた女性タレント、渡辺満理奈や原田知世が結婚するニュースがあいついだ。女性タレントのようなモテる女性たちが三十代まで売れ残っているというのは、その美貌なのに良縁にめぐまれないという苦渋さ(?)が私には好感がもてたのだが。美人はすぐ嫁ぐより、三十代まで残るほうが、自分を大切にしているみたいですばらしいと思う。

 女性タレントは三十代や結婚を機に消えてゆく。彼女たちの人気はあくまでも恋愛市場での独身としての価値である。人格や人間としての価値ではまだまだ評価されていないのである。その意味では三十代や結婚後も残ってゆく女性タレントに期待したいのである。

 女性タレントが殿堂入りしたというか、頂点をきわめた例では、鈴木保奈美、山口智子、中山美穂、松嶋奈々子が思い浮かぶ。鈴木保奈美は『東京ラブストーリー』で頂点にのぼりつめたのだが、その美貌と澄んだ声はすばらしかったのだが、結婚後のちはまったく消えてしまった。

 

 山口智子は『スィート・ホーム』でナチュラルな女性を演じて見せてCMでカルトっぽくなったが、結婚後の活躍はあまりない。中山美穂はヤンキーの女性のイメージが見事に清楚な女性に変貌したのだが、結婚後の消息はまったく聞かない。松嶋奈々子は『やまとなでしこ』で好演したと思うが、結婚後はやっぱりぱっとしないのである。

 三十代のちの女性タレントが需要されることはあまりないのである。ただ負け犬女性の本が売れたり、ドラマや映画でひんぱんにとりあげられるようになって、個人として評価される女性の年齢がのびてきた兆しはある。結婚市場での価値しかない世間の女性への視点が、崩れてゆくことに期待したいと思うのである。

 いぜん三十代をこえた浅野温子・ゆう子の「W浅野」ブームがあった。トレンディドラマで彼女たちがもてはやされたのである。独身消費ライフスタイルのフェーズとして彼女たちは頂点をきわめた。いまはそういう消費価値が落ち込んでしまったから、彼女たちが活躍することはないのだろう。

 結婚しても三十代をこえても美貌と人気をたもっているのは黒木瞳くらいである。おそらく稀有の存在である。三十代をこえて女性タレントの需要は激減してしまうのだろう。結婚したら西田ひかるや広末涼子のようにあんなに人気があったのが信じられないくらい人気はガタ落ちしてしまう。女性タレントは結婚市場での価値でしかないのか。

 もちろんそういう価値で見てしまうこと自体を全否定するのは間違いだろう。それは人間のサガであり、大きな面を占めるのは否定しようがない。恋愛市場での価値観のほかの面で、女性として、人格として、評価される時代がきてほしいものである。深みや重みのある女性も育ってほしいものである。




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 020707書評集 身体と心のメカニズム 2002/7/7

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