■030927書評集
『性の思想』 吉本隆明、種村孝弘ほか
太平出版社 1969 750e(古本)
たまたま古本屋でみつけた古い本で、性の問題というのは時代によってすっかり古びてしまうものだと思っただけ。
『女性の「オトコ運」は父親で決まる』 岩月謙司
新潮文庫 1999 438e(古本)
個人的にはこの岩月謙司という人の根拠なき思考法には警戒をいだいているし、保守的な性道徳の枠組みには歎息するが、幼少期の親との関係が大人の恋愛に出てくるというのはそうかもしれないと思う。
『モア・リポート』 モア・リポート班編
集英社文庫 1983 480e(古本)
女性の性の声をあつめたもので、いろいろな思いはあったが、私には「はぁ〜、へぇ〜、ほぅ〜、ウラヤマシイ……」でまとめてよいかも。
『恋のすれちがい』 呉善花
角川文庫 1994 440e(古本)
おもしろい。韓国と日本の恋愛のちがいを語った本である。たとえば韓国では女が拒否すれば男はますます強引に誘うようになるそうだが、日本の男はすぐメゲる、韓国では女性が喫茶店でひとりでいるとしばしば声をかけられるから、声をかけない日本では韓国女性はモテなくなったのかと心配したり、日本の社会は「女がやらせている社会」と思ったなど、すらすらと興味深く読める本である。となりの国とくらべると無自覚である日本の恋愛のルールが見えてくるということだ。
『性と日本人』 樋口清之
講談社文庫 1980 380e(古本)
現在の一夫一婦制の性のモラルを相対化する日本人の性のかかわりかたが公正にのべられていると思う。
『愛が深まる本』 ジョン・グレイ
知的生きかた文庫 1995 495e(古本)
セックスを心理面からとらえた全米480万部のベストセラー。卑猥でも淫靡でもないこういう性の捉え方をしなければならないと思う。
『男たらし論』 野中邦子、江崎リエほか
平凡社 1997 1600e(古本)
これからの男と女の生き方の本。女も男に依存しないで自立して生きていってほしいものだ。男はもうカイシャのドレイをやめたい。
『教養主義の没落』 竹内洋
中公新書 2003 780e
かつてはマルクスとかサルトルとかの本が読まれたのだがいまはさっぱり読まれなくなったのはなぜだろうと思っていたので、この本を読んだ。どうも大学の特権性の没落とかサラリーマンには教養は必要がないことから教養主義は衰退したようだ。でも人間が人生や社会に興味を失うとは思われないけど。
『恋愛依存症』 伊東明
KKベストセラー 2000 1600e
苦しい恋やひどい恋愛でも別れられない人たちのことを恋愛依存症というそうだ。幼少期の見捨てられる恐怖がその根本にあるとされる。私の恋愛や人間関係のありかたにも幼少期の経験が影を落としているかもしれないので、もうすこしこのことについて知りたくなった。
『くらたま&岩月教授のだめ恋愛脱出講座』 倉田真由美 岩月謙司
青春出版社 2002 1200e(古本)
だめ恋愛タイプを分類しているのがおもしろい。思い残し症候群、幸せ恐怖症タイプ、執着恋愛タイプ、セックス妄想タイプ、男性破壊願望タイプなど。けっこう身近にこういうタイプの女性はいるかもしれない。性格だけに外からは見えないこともあってちょっとコワイかも。。
もしこのだめ恋愛タイプが幼少期に形成されたとするのなら根は深く一生ひきずらなければならないのかもしれない。本人も恋人もたいへん不幸なことだ。といっても幼少期の傷を自覚し、現在の考え方、捉え方を変えれば変われる可能性は高いと思う。人は考え方を変えれば変われると私は思う。
『ベスト・パートナーになるために』 ジョン・グレイ
知的生きかた文庫 1992 533e(古本)
この本は全世界で1200万部も売れたというすごい本である。男と女は同じ考え方や感情をもっていると思って接すると傷つけたり、すれちがいをおこしたりするから気をつけようということで、ホントむずかしいことだ。
『バカの壁』 養老孟司
新潮選書 2003 680e
100万部も売れたということで読んでみたがそんなに売れるほどの本とはあまり思われませんが。「バカ本」ブームのライン上のヒットなのか。バカの基準をあたらしくつくりたい時代なのか。養老孟司は教養系のTVにもよく出ているし、しゃべりかたとかキャラクターが魅力的だから売れたのかな。
世界はあやふやでわからないものであるという前提が現代の日本では失われていて、日本人は世界はわかると思っているのはキケンだと指摘しているのはなるほどなと思った。完全に理解できていると思っている世界は安定していてラクかもしれないけど、不確実でなにも理解できない世界のほうが楽しいとは思うけど。いや、そんなミゾに落ちたくはない、やっぱり苦しくてツライ世界かな。
『大失恋』 監修 清水ちなみ
扶桑社文庫 1996 485e(古本)
恋愛とはふつうの社会組織から外れたり、横断したりするつながりをつくる社会的にみておもしろいありかただと思う。人はどういうつながりをしているんだろうということです。
失恋のエピソードかいろいろ語られているが、ときには泣けたりするが、恋愛は感情や物語に没入するからツライといえるけど、でも没入しないと恋愛できないんだな。禅の境地をめざしたいとは思っている私はこの妄想や空想とどうつきあったらいいんでしょーか。恋愛は妄想の奔流に身をまかせるしかないのか。
『若者はなぜ「決められない」か』 長山靖生
ちくま新書 2003 720e
フリーターの問題をはばひろく網羅して熟考しているが、この問題は経済面から捉えるのがいちばんだと思った。たんに会社が安い給料で雇い、社会保障を捨てたいという思惑と、若者を家庭の主にしなければならないという社会通念が衝突しているだけなのだろう。経済は人々の考えを押し流してゆくことだろう。もう男は頼りにならない。
『恋の心理法則50』 伊東明
王様文庫 2003 495e
恋愛がニガテな私は恋愛のオベンキョー中です。この本は女性向けの本ですが、そんなのは関係ありません。貪り読みます。
『なぜかオトコ運のいい女性 悪い女性』 井形慶子
知恵の森文庫 2000 495e
さすがに恋愛や人間関係の知識と経験に優れている。ただちょっとこの人、営業的な人間観をもっているかも。
『恋の心理法則』 島田一男
ごま書房 1989 777e
こちらは男性向けの恋愛本です。大正生まれの著者だから古臭いことをいっているのかなと思っていたら男と女の関係はむかしからあんまり変わらないらしい。
それにしても女性は好意のある相手だとしても逆に冷たいそぶりをとったり、ホンネをなかなかいってくれないそうである。男には避けられているのか、好かれているのかまったくわからないジゴクだ。恋の駆け引きや謎かけのゲームに強くならなければ女性とはうまくいかない。
『愛される女性 愛されない女性 61の恋愛法則』 赤羽建美
知的生きかた文庫 2001 533e
作家の恋愛本だからちょっと詩的で論理の詰めが甘く、客観性がとぼしいあたりがあったりして、ちょっとほかの本からは落ちるかなとは思ったけど、失恋を成長のための学習ととらえるなど、もちろん学ぶものもたくさんあった。
『本当に愛されているの?』 根本裕幸 原裕輝
すばる舎 2003 1300e
この本はけっこう男女のすれ違いの理由を深くついているのかもしれない。納得するところ、説得されるところがかなり多い。
別れの危機がおとずれたときは二人がもっと親密になるときであり、3つの転機があって、それぞれ依存の時代、自立の時代、相互依存の時代となるそうである。それを幼少期から説きおこしているところなんか納得である。
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