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020203書評集
チャネリング・アナザーワールド



▼2002/2/3.更新


 『リヴィング・ウィズ・ジョイ』 サネヤ・ロウマン マホロバ・アート 1986. 2060e(古本)

 光の存在オリンというかなり怪しいチャネリングの本だが、言っていることは「思いは実現する」という一般の自己啓発なみのレベルで、これにはこれなりの学ぶべきものはあるのだが、ほぼチャネリングである必要はないと少々腹が立ってきた本だった。




 『エマヌエルの書』 パッド・ロドガスト ジュディス・スタントン VOICE 1985e(古本)

 「いったん次のことを信じるのを自分に許せば――「許せば」という言葉に注意してください――次のこととは、あなたは肉体次元を超えて存在するということです」

 「肉体が殻やおおいのようなものだということに気づいていますか もしあなたに幻想の必要がなくなればあなたは肉体をもつ必要がなくなります」

 「わたしとあなたをへだてているいまこの時点での唯一の違いはあなたの五感がいま記録しつつあることをあなたが信じているということです あなたは五感の力を受け入れ、その制限を自分に課しています」

 「あなたの全意識はこの小さな肉体にはおさまりきらないのです あなたはどこかで赤ん坊が泣いているのをきいてそれが自分だとわかります そのように、゛自分″というものに同一化できるには何ヵ月も、いや何年もかかるのです」

 う〜ん、自分は肉体ではないのか。わからない。

 「怖れの強さはあなたがそれを避けようとする強さと同じです 怖れを見ることに抵抗すればするほど 受け入れて抱擁することに抵抗すればするほどあなたがたは怖れに大きな力を与えてしまいます」




 『心の扉を開く』 アイリーン・キャディ 日本教文社 1986. 1429e(古本)

 このチャネリングの本も、あなたの外にではなく、内に神があることを中心に語られている。

 「愛しなさい」とか「受け入れなさい」とか安らげる言葉の波にのれると思ったのだけど、これはもっと気分が滅入っているときにはあたたかく胸のうちに染み込んでくる効果があるのだろう。

 ただ、私は仏教的な無私無欲の考えになじんでいるので、愛とか喜び、完璧をもとめなさいという言葉にはどうも抵抗や拒否感を感じてしまう。段階が違う話なのか、それとも心を捨てる方法と、感情によって悟ろうとする方法の違いなのか。




 『思想としての孤独 <視線>のパラドクス』 清水学 講談社選書メチエ 1992/12. 1800e

 孤独を文学の透明人間や怪物、分身などから探った本である。なるほどこれらから孤独のテーマを読み解けるというのは卓見であると思う。

 私は社会規範としての強制される孤独――「ひとりでいることは悪い。ともだちがいないのはヘン」という規範観念にいちばん抗したい。感情社会学からの成果が待たれるところだ。




 『チャネリング@ 饒舌な宇宙』 ジョン・クリモ VOICE 1987. 1950e(古本)

 チャネリングとはなんだろうか。セス、アイリーン・キャディ、奇跡のコース、ラムザ、ケビン・ライアーソン、ラザリス、ミカエルなどのチャネリングに関わる存在が現代にいる。

 チャネリングは太古から存在したもので、古くはシャーマンやヒーラーとして知られてきた。卑弥呼もシャーマンであったというし、モーゼ、キリスト、モハメッドもいずれもチャネリングと思われる神の声をうけとっている。二十世紀になるとエドガー・ケイシーなどの存在がいる。そういう歴史と現代の状況がこの本からわかる。




 『ラムサ―真・聖なる預言』 ラムサ  角川春樹事務所 1986. 1553e(古本)

 すごい本である。チャネリングなどでは「あなたは神である」とよくいわれるのだが、こういわれば驚く。「神は単一の存在で、自分の手で天と地を創造し、それから人間という生物を創造したとあなたは教えられてきた。しかし、実はそれはあなただったのだ。朝の太陽も、夕刻の空も、あらゆるものの美を創造したのもあなただ」

 また、こうもいっている。「あなたが死ぬ理由はただひとつ、自分が死ぬと信じているからです」「自分に限界を設けてしまうような信念を容認することで、あなたは限界だらけの人生をつくり上げる」「皆は自分自身の思考によって自分を絶望に追い込んだのだ」

 「けっして何も信じてはいけないことです。絶対に。信じるというのは、まだこれから知るべきこと、体験を通してこれから理解していくべきことについて、確信を持ってしまうことです」

 「あなたが生きているこの人生は、夢だ。大いなる夢、言わばうわべなのだ。それは、思考が物質と戯れている姿であり、夢見人であるあなた自身が目覚めるまで、あなたの感情をその中に拘束しておくための深遠なる現実をつくり出しているのである」

 「思考なしにはあなたの身体は存在せず、物質さえも存在することはない」「物質とは、思考を最も大きく変容させることによってつくり出される思考のレベルなのだ」

 「あなたが宿っている身体は、魂を運ぶ車であり、この物質界に生き、遊ぶことを可能にするために選ばれた、洗練された手段にすぎない。にもかかわらず、この手段でしかないものを通して、あなたは自分の本質が自分の身体だという幻影にどっぷりと漬ってきた」

 「あなたにとってこのレベルが存在しているというのは、あなたの肉体、つまり、あなたの化身にある感覚器官が、物質という、光の周波数の中で最も低いレベルを感知するようにつくられているからです」

 「限りない思考を使えば、化身や、すべての場所、すべての宇宙を超越できるのだともし知っていたら、あなたは二度と限定されることを選びはしないだろう」

 「すべてひとつである状態は、本当にわずか一瞬、ほんの一呼吸しか離れていないところにあるのです。自分の存在の内奥で、どんなものとも別の存在でありたくないと願うとき、あなたはもはやそうでなくなります。すべての思考から自分を分離してきたのは、あなたの価値観、限られた思考、そして変容をきたしてしまったアイデンティティなのです」




 『アウト・オン・リム』 シャーリー・マクレーン 角川文庫 1983. 838e

 精神世界を一般の人たちにも近づけたベストセラーということで読んでみたが、私はどうも物語形式というものがまわりくどくて、あまり好きになれない。言いたいことだけを単刀直入に言えばいいと思うのだが、一般の人たちは物語からのほうが学びやすいようである。




 『魂の伴侶――ソウルメイト』 ブライアン・L・ワイス PHP文庫 1996. 619e(古本)

 ブライアン・ワイスはおそらく一級のストーリーテラーなのだろう。輪廻の物語にわくわくするほどの魅きつける力をもっている。

 章の扉には生まれ変わりを信じる著名人の言葉が引用されていて、これが購入のきっかけとなった。ゲーテ、ユング、ユゴー、ニーチェ、トルストイ、キケロ、プラトン、ダ・ヴィンチなどの意外な人の生まれ変わりの言葉が載っている。




 『カミとヒトの解剖学』 養老孟司 ちくま学芸文庫 1992/4. 1200e

 チャネリングとは言っている内容はもろ宗教である。宗教や組織を信じられない人のための宗教のアプローチという感がする。あまり現実離れするのもなんだから、正統的とされる人からの批判にも耳を傾けるべきということで、この本を読んだ。

 養老孟司という人は「実体」にこだわる人ということを思い出した。われわれは実体でないものを「実体」であると勘違いすることがあまりにも多すぎるのだ。言葉でいうことはすべて「実体のないもの」と言い切ってもおかしくない。この勘違いはかなり危険である。

 あと、「目は時間を瞬間に切り、そこから写真や絵が発生する。耳は時間を「流す」」――この言葉は銘記しておきたい。




 『霊界日記』 エマヌエル・スウェーデンボルグ 角川文庫 1747-1765. 440e

 スウェーデンボルグという人は大科学者でありながら、霊界の日記を二十年にわたって書きつづけた。なんでこういうことが?、ほんとうに霊界はあるのか?、脳内の幻覚ではないのか?、大マジメの科学者がそんな幻覚を信じるのか?、といろいろ懐疑がわきあがるが、信じられない世界のことがずっと語られつづけるので、私の頭にはほとんど入ってこなかった。




 『顔の現象学』 鷲田清一 講談社学術文庫 1995/6. 760e

 われわれは顔に人格や自我、自分らしさといったさまざまな主体性や意味を集めこんでいるが、じつはこれも「無」にすることができ、「幻影」や「幻想」ではないかということに気づいた。

 顔の「異化」や「無化」、「脱同一化」をするにはどうしたらいいのだろう? 身体に疑問を抱いたときには鷲田清一の身体論はかなり参考になったが、この顔学はいまいち私の必要としているものを教えてくれなかった。




 『顔面考』 春日武彦 紀伊國屋書店 1998/12. 2000e

 私は顔の「脱人格化」をめざして顔の知識を得たいのだが、思いのほか顔の哲学や顔の心理学といったものは皆無に近い。顔はもっと考えられてしかるべきものだと思うのだが、この現在の状況はいったいどういうことなのだと逆に勘ぐりたくなる。

 この本はどちらかというと、おぞましい顔、恐ろしい顔、醜い顔といったものが中心で、顔の本が少なくて仕方なくこの本を手にとったものには、醜いものを集めた博物館に迷い込んだ気分だ。




 『顔と表情の人間学』 香原志勢 平凡社ライブラリー 1995/1. 1000e

 顔の構造、表情などが人類学者のエッセイ風の文章として綴られているが、顔というのはやっぱり手強いのだろう。私が知りたいこと、疑問に思うことは、自分の手の内をすりぬけてゆくばかりだ。




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 020106書評集 グルジェフ―神秘思想

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『エマヌエルの書』 ロドガスト VOICE































































『ラムサ―真・聖なる預言』 角川春樹事務所

















































『魂の伴侶―ソウルメイト』   ワイス PHP文庫
























『霊界日記』 スウェーデンボルグ 角川文庫ソフィア
   
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